EH Neo Clone

ELECTRO-HARMONIX / Neo Clone

5年前に20年ぶりに音楽活動を再開するにあたって、最初に購入したコーラスです。
20代、まだプロを目指していたころは、BOSSのCE-1と、まだ出たてのラックマウントのSDD320(Dimension D)をほぼ掛けっぱなしにするくらいのコーラスエフェクト好きでした。
全部、20年ほど前に手放してしまったことが今となっては悔やまれます。

さて、なぜエレハモのこれにしたかと言うと「安かったから」が一番大きな理由です。また、BBD素子を使ったアナログコーラスだと言うこと、それなりの評価があったと言うことも理由にありました。
ただ、しばらく使ってみて、どうにも昔の「あの音」にならない…そりゃCE-1じゃないんで当たり前っちゃあ当たり前なんですが、自分のコーラスの原体験がCE-1なので、そうしてもそれを追い求めてしまいます。
したがって、出番も少なくなり、エフェクターボードからも外れて早数年。MXRのDynaCompとともに、飼い殺し状態になっていました。機材も大分増えてしまったので、そろそろ整理かなと手放すことにしたのですが、その前に記録を残しておこうと今回のレビューとなったわけです。

そう言えばエレハモは高校時代にアナログディレイDx Memory ManやフランジャーElectoric Mistressを持っていました。海外製品としては同種のものよりやや安かったのと、人と違うものが欲しかった天邪鬼な私の趣向がマッチして、大分使い倒したのですが、あれらも誰に譲ったのだろう?惜しいことをしました。他のメーカーはダイキャストのしっかりしたコンパクトなケースだったのに、エレハモときたらブリキを折り曲げたでっかい箱でしたので、なんだかアメリカンで大雑把なイメージはそのころから持ってました。

Deluxe Memory Man(Electro Harmonix Web Siteより)
Electric Mistress(Electro Harmonix Web Siteより)

少々脱線しましたが、てなわけで、手放す前にしっかりチェックしました。
Neo Cloneはエレハモのコーラスの名器Small Cloneの後継機です。とはいうものの、Small Cloneもしっかり復刻されてしまったので、立ち位置はやや微妙ではあります。
昔ながらの(?)「ブリキの箱」であるSmall Cloneと違って、Neo Cloneはちゃんとダイキャストのケースに収められています。無塗装の銀色の上にシルクスクリーン塗装と言うのがエレハモのアイデンティティなのでしょう。

EH Neo Clone
ELECTRO-HARMONIX Neo Clone

大きさは、MXRのDyna Compくらい。コンパクト・エフェクターの標準的なサイズです。コントロールは掛かりの深さを切り替えるDEPTHスイッチと揺らぎの速さを調節するRATEの2つだけという潔さです。

EH Neo Clone
コントロールは2つだけ

アウトプットもモノラルです。他社では一般的なステレオアウトではありません。まあ、レコーディングでもなければエレキギターでステレオアウトってあまり必要無いんですよね。アンプ二つ要りますし。その昔Demension D使ってた頃、ヤマハのF100-112を2台、ヒィヒィ言いながら持ち歩いていた記憶が蘇ります(涙。なので、この割り切り方、素敵です。電源は006P 9V電池または9V DCアダプターです。

EH Neo Clone
インプットも一つ

さて、肝心の音ですが、今回改めて検証してみると良いエフェクターだなと思いました。Small Stoneというか、エレハモのコーラスと言えば連想されるのが、ニルヴァーナのカート・コバーンです。ちゃんとその音が出ますね。CE-1のような丸くて潰れたコーラス音では無く、シャリーンと爽やかな印象です。
DEPTHは手前がかかりが浅く、奥に(上に)倒すと深くなります。うねりが強くなっても、音のエッジが立っているので演奏の中で埋もれにくいのではないかと思います。
RATEはうねりのスピードですが、掛けっぱなしで使うなら最小値で、コーラス感を出したいなら、10時から12時くらいの位置が良い感じです。

EH Neo Clone
モノラルアウトひとつだけの割り切り

よく「音ヤセする」と言われてますが、BBD方式のアナログディレイでは宿命だと思っています。むしろ高域成分をよく残していると感じます。
高域が強く、音が立っているためか、私の印象では歪ませると高周波が目立って耳にうるさい感じがしました。この点が私が使わなくなった理由でもあります。CE-1は程よく音が「寝ていて」、掛けっぱなしでもうるさく無く、クリーンでも歪ませても気持ちよかったのですが、Neo Cloneは主張が強すぎて聴いていて疲れてしまいそうです。あくまで個人的な好みですけどね。
やはりカート・コバーン的な使い方をするのが合っているように思いました。

EH Neo Clone
裏面

今となっては「もっと使ってあげればよかったなあ」と思います。私の使い方が未熟なせいで、決して悪いエフェクターではありませんでした。クリーンからクランチの間でバッキングに使ってあげるのが一番でしょう。アルペジオ、カッティングではこの音ありきでアレンジを組み上げていけそうな主張の強さです。

欠点は、先に書いた主張の強すぎる部分と、コントロールの少なさ故のバリエーションの狭さでしょう。最もエレハモでももっと上位機にはたくさんのコントロールが付いているものがありますので、そうしたい人はそっちを買えばいいだけです。Neo Cloneは「この音」が欲しい人が買うエフェクターなのですから。
加えてエレハモのエフェクター共通の欠点として、繋いで最初にフットスイッチを踏んだ時に「ボンッ」とびっくりするくらいに鳴る現象もあります。

それから、ケースに書いてあるMADE IN NYC. USA、いまだに米国製なんですね?しかもこの価格というのは信じられません。40年前より倍以上円高だとしても、7千円程度で買えるというのは驚異的です。

さて、言葉だけでは伝わりませんので、動画を作りました。当分このスタイルでYouTuberを気取ってみたいと思います(笑。

ELECTRO-HARMONIX ( エレクトロハーモニックス ) / Neo Clone
ELECTRO-HARMONIX ( エレクトロハーモニックス ) / Neo Clone

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